ホルミシスの安全性と危険性

ごく微量の放射線によって人体によい効果を与えるのがホルミシス効果ですが、放射線といえば危険性のイメージも根強くあります。ホルミシス療法がかえって害になるリスクは本当にないのでしょうか。

ここではまず地球上に存在する自然放射線の存在と、どの程度の放射線量なら人体への影響がなく、どの程度から危険性が出るかを解説します。その上でホルミシス効果における放射線の量を確認し、その安全性を検証していきます。

放射線の人体への影響

ホルミシス治療はラドン、ラジウムなどの放射性物質を利用します。しかし放射線というと、人体に有害で恐ろしいイメージは否めません。しかし、そもそも危険性のある放射線とはどの程度の量なのでしょうか。放射線の人体への影響を示す単位として、よくシーベルトという単位が用いられます。

シーベルトは人体が受ける放射線量を表します。そもそも地球上には常に様々な放射線が飛び交っています。宇宙から降り注ぐ宇宙線。地面の放射性物質。空気や食物に混ざる微量の放射性物質など。地球上の人間は常に微量の放射線を浴び続けているのです。

国際放射線防護委員会(ICRP)では、人間一人が1年間に受ける自然放射線の被曝量を年間2.4ミリシーベルトに定めています。日本の基準ではさらに厳しく1ミリシーベルトとなっています。

普通の人はどのくらいの自然放射を受けている?

地球上に存在する自然放射線によって、世界の人々が1年間で平均的に受ける放射線量は、ICRPの規定と同じ2.4ミリシーベルトです。しかしこれは平均値であり、中国の広東省陽江県では年間6.4ミリシーベルトをはじめ、世界には自然放射線の量が多く、そこで暮らす人々の浴びる放射線の量が平均より高い地域もあります。

しかし、この広東省陽江県では、年間死亡率や癌死亡率は、一般平均よりやや低いという結果が出ています。また高度1万メートル以上では、放射線の強さは地上の150倍になります。飛行機で東京とニューヨークを往復すると0.2ミリシーベルトの放射線を浴びるといわれます。

国際線の乗務員や、頻繁に利用する乗客は、ICRPの規定をはるかに超える放射線を浴びていることになります。ICRPや日本の基準を越えても、ただちに危険性はないのです。

どのくらいの放射量が安全なの?

人間は常に自然からの放射線を浴びているため、放射線を過度に恐れる必要はありません。では安全な範疇とはどの程度でしょうか。エックス線装置などを扱う放射線業務従事者では、年間被曝の上限は一般よりはるかに高い50ミリシーベルトになっています。

また200ミリシーベルト以下の被爆では、臨床的に急性症状が見られた例はありません。500ミリシーベルトでリンパ球の現象が確認され、1シーベルト(1000ミリシーベルト)で吐き気などの症状が出るようになります。

ラドン温泉による被爆量は、放射線量がもっとも高い温泉に1年間、毎日1時間入浴しても、年間で約0.4ミリシーベルトという微量であり、放射性物質は入浴から2時間程度ですべて体内から排出されるため、危険性は皆無と考えてかまいません。

まとめ

人間が1年間に浴びていいとされる放射線量には、国際、国内での基準があります。しかし世界には自然放射線量が国際的な基準を越える地域も多くあります。特に日本国内での基準はかなり低く見積もられており、実際はその200倍の放射線を浴びても、治療が必要な症状が見られた例はありません。ラドン温泉、ラジウム温泉で浴びる放射線量は、たとえ毎日入浴したとしても、日本の一般基準をはるかに下回る微々たるもので、健康に対する危険性は皆無と考えて問題ありません。

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