放射線について解説

「放射線」や「放射性物質」「放射能」とはよく聞く言葉ですが、似ている様でそれぞれ違うものです。恐ろしい物というイメージがばかりが先行してしまうのは、実際にはよく知らないからだと思います。無論、日本が世界で唯一の被爆国であると言う事も無関係ではないでしょう。ただ、私達は大昔より日常的に放射線を浴びて生活をして来ました。まずは、少しだけでも正しい知識を持つ事、知る事が大切だと考えます。

放射線物質とその力

簡単に言えば「放射線」を出す物質が「放射性物質」です。そして放射性物質が放射線を出す為の力が「放射能」という事になります。よくニュースなどで「シーベルト」という言葉を聞くと思いますが、それは「放射線を人が受けた時に、健康への影響を表す単位」の事です。因みに、人の健康に有害と確認されるのは100ミリシーベルト以上の被ばくだそうです。

私たちが普段通りの生活で浴びている放射線は、世界平均・年間2、4ミリシーベルトで、原発業務の従事者が「ここまでだよ」と示されている上限が年間50ミリシーベルトです。では放射性物質にはどんな物があるのでしょうか。まず、核燃料物質として有名なウラン、プルトニウム、トリウムがあります。そして身近なものでは、ラドン温泉のラドン222とかラジウム温泉のラジウムやカリウム40等もあります。

日常的に自然放射線を受けている

天然の放射性物質は約46億年前に、この地球が誕生した時から存在しています。それらは大地にウラン、トリウム、カリウム等として眠り、また宇宙からは宇宙線が降り注いで炭素等になり、空気中にはラドン等からガスが噴出し、日常的に私達の周りを自然放射線として取り巻いているのです。これのみではなく、私達は食品からも放射性物質を取り込みます。

カリウムは筋肉を働かす為に必須となる栄養素ですが、その栄養素として取ったカリウムに1万分の1個という割合で放射性物質を持つカリウム40が紛れ込むのです。それはワカメであったり、ほうれん草、干しシイタケ、肉、魚、米、パン等々色々な食品にあります。この様に外部から内部から、人は年間を通して自然放射線を受け続けて生活をしています。その年間平均は、日本人では2.1ミリシーベルトと言う事です。

放射線が身体に与える影響

人体に有害とされるのは100ミリシーベルト以上だという話はしましたが、では、それ以上だと人体にどの様な影響があるのでしょうか。500ミリシーベルトでリンパ球が減少し、そして1000ミリシーベルトでは吐き気や嘔吐の症状が現れます。この1000ミリシーベルトで、短期間に一遍に放射線を浴びると被ばくした人の10パーセントが癌により亡くなります。

同じ1000ミリシーベルトでも長期間で浴びた場合の死亡率が5パーセントに減るのは、1度に受ける放射線量の多少が関係するのです。放射線が体内を通ると細胞のDNAが傷ついてしまいますが、本来、人体には傷ついた細胞を復元する回復力がありますので大体は異常が起きません。但し、100ミリシーベルト以下の被ばくの場合と考えてです。この100ミリシーベルトが一つの限界線と覚えておいた方が良さそうです。

まとめ

放射線はただ怖がってばかりでもイケないし、逆に正しい知識が無いのに簡単に考えてもイケないと云う厄介なものです。前述して来ましたのは、ホンのさわり部分に過ぎない解説ではありますが、それでも「ただ怖がる必要はなく」でも「限界値以上は危険」と覚えておいて頂ければ最小限、無駄な差別や自身の健康被害を食い止める事はできるかもしれません。

また日本では大地、食物といったものから受ける自然被ばくより、医療被ばくが世界平均より高いという事実があります事も、喫煙や大量飲酒、運動不足、野菜不足等が自然被ばくの何十倍も癌の発生率を高めるという事も併せて知っておいて頂ければと思います。

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